売れ残りのかぼちゃ

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制作日誌
「使う」の無料ツールに「アイコダシ」を加えました。1枚の画像から、サイトのアイコンやスマホのホーム画面用のアイコンを、必要な大きさでまとめて書き出せます。画像は端末の中だけで処理します。アイコダシへ
あわせて、ツールのページの題を、やりたいことから探したときに見つけやすい言い方に整えました。
その日に実際にやったこと。
STORY · 創作
創作日記
創作(フィクション)
八百屋の店先で、かぼちゃがひとつだけ売れ残っていた。
段ボールの箱の底に、ごろんと転がっている。皮は深い緑で、ところどころ白っぽい筋が入っていて、形は少しいびつだ。ほかのかぼちゃは、昼のうちにみんな売れてしまったらしい。店じまいの近い時間で、店主は奥で帳面をつけていた。
なんとなく見ていたら、店主が顔を上げて、それ、甘いよ、と言った。売れ残りなのに、ずいぶん自信がある。いびつなのは、畑の端で石に寄りかかって育ったからだという。日当たりはいちばんよかったんだ、と付け足した。
家に持ち帰って、包丁を入れるのにずいぶん苦労した。硬い。両手で体重をかけて、ようやく刃が沈んでいく。割れた瞬間、中から濃い橙色がのぞいて、台所が少し明るくなったような気がした。
種をスプーンでかき出し、皮をところどころ削って、醤油とみりんで煮た。鍋の蓋の隙間から、甘い匂いがのぼってくる。窓の外では、仮装をした子どもたちが、にぎやかに通り過ぎていった。
煮えたかぼちゃは、たしかに甘かった。ほくほくとして、箸で崩すと湯気が立つ。店主の言葉は本当だった。
売れ残ったのは、いびつだったからだろう。けれど、いびつになったのは、いちばん日の当たる場所で、石に寄りかかって育ったからだ。そう思うと、形が少し誇らしく見えてくる。
残った分は、明日の弁当に入れることにした。種は洗って、窓辺で乾かしている。来年、どこかの石の隣に、まいてみてもいいかもしれない。
この文章は創作(フィクション)です。登場する出来事や人物は実在のものではありません。