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Writing · Diary

日記。

坂の上の質屋

LOGSTORY · 創作

LOG

制作日誌

「観る」の静止画に、連作「神と悪魔」の七枚が並びました。I から VII まで、それぞれに副題を付けています。静止画へ

「仕事」には、広告ポスター・店頭POP・Webバナーの制作例を八点まとめた欄を新しく設けました。どれも自主制作の、架空の広告です。縦長のポスターも横長のバナーも、切らずにそのまま見られます。仕事へ

その日に実際にやったこと。

STORY · 創作

創作日記

創作(フィクション)

坂の上に、時間を預かる質屋がある。

店先の札には「一時間より承ります」とだけ書いてある。預けた時間は、利子をつけずに返してくれるらしい。ただし、返ってくるのは同じ長さの、別の日の時間だそうだ。

半信半疑で、三十分を預けてみた。忙しい火曜日の午後の、どうにも身の入らない三十分。店主は帳面に何か書きつけて、小さな木の札をくれた。

それから一週間ほど経った雨の日曜日、ふと札のことを思い出して坂をのぼった。札を渡すと、店主は棚の奥から薄い紙箱を出してきた。蓋を開けると、中は空っぽに見えた。

「もう、お戻ししましたよ」と店主は言った。

家に帰ると、なぜかやることが何もなかった。洗濯は済んでいて、返事を書くはずの手紙は昨日のうちに書き終えていた。窓の外では、雨が静かに屋根を叩いていた。

ぽっかり空いた三十分のあいだ、わたしは湯を沸かして、読みかけの本を最後まで読んだ。雨の音が、ちょうどいい速さで頁をめくってくれた。

あの火曜日の三十分が、こんなふうに戻ってくるとは思わなかった。預けたときよりも、ずっと柔らかい形になって。

次は何を預けようか。手帳をめくりながら、坂の上の灯りを思い出していた。

この文章は創作(フィクション)です。登場する出来事や人物は実在のものではありません。