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Diary

いちばん新しいものを、いちばん手前に

LOGSTORY · 創作

LOG

制作日誌

「観る」に、短編アニメの2本目『月額制の空』を並べました。トップの「観る」の部屋の表紙も、この回に替えています。観るへ

それから、サイトの並べ方を変えました。遊ぶ・使う・Works・綴るのどの部屋でも、公開日がいちばん新しいものが自動で大きく出て、ほかは小さく横に並びます。新しいものを足すたびに手で並べ替えなくてよくなりました。

そして今日から、この「日記」を始めます。毎日、その日の制作日誌と、創作の短い読み物を載せていきます。

その日に実際にやったこと。

STORY · 創作

創作日記

創作(フィクション)

商店街の外れに、日付順にしか物を並べない雑貨屋がある。

棚の左端がいちばん古く、右へ行くほど新しい。値札の隅には、店に来た日が鉛筆で小さく書いてある。色も用途もばらばらなので、急須の隣に毛糸の手袋があり、その隣に真鍮の栞が寝ている。

「探しにくくないですか」と訊いたことがある。店主は少し考えてから、「探す店じゃなくて、出会う店なので」と言った。

その日、右端に新しく置かれたのは、手のひらに収まるほどの硝子の小瓶だった。中には何も入っていない。光にかざすと、底に気泡がひとつだけ閉じ込められていた。

「今朝、来たばかりです」と店主は言った。「明日になったら、ひとつ左に寄ります」

毎日ひとつずつ、ものは左へ寄っていく。一年もすると、今日の小瓶はずっと奥のほう、鍋敷きと古い地図のあいだあたりにいるのだろう。それを寂しいと思うかどうかは、たぶん見る人の勝手だ。

わたしは小瓶を買わずに店を出た。明日来れば、まだ右端から二番目にいるはずだから。

帰り道、空はもう十月の色で、街灯がひとつずつ順番に灯っていった。いちばん新しい明かりは、いつもいちばん手前にあった。

この文章は創作(フィクション)です。登場する出来事や人物は実在のものではありません。