一部、創作を含みます。
- PROCESS
大きな道具をひとつ作るより、小さな困り事をひとつずつ消していく。手が止まる場所が減るほど、描く時間が増える。
- INSPIRATION
誰も描いていない模様が、いちばん長く見ていられる。冷たさと温かさの境目には、毎朝ちがう地図が引かれる。
- NOTE
昇りはじめの月は、見なれた白になる前に、名前のない色を通りすぎる。待った人だけが、その数分間を知っている。
- INSPIRATION
決まった目盛りと目盛りのあいだに、まだ名前のない音がある。少し回しすぎた指先が、ときどきそれを拾ってくる。
- NOTE
直すことは、新しく作ることとは違う。使ってきた跡を消さずに、元の形へそっと戻してやる仕事だ。
- INSPIRATION
見慣れた絵の隅に、今日はじめて小さな舟を見つける。描き足されたのではなく、見る側が少し変わっただけだ。
- PROCESS
仕上がりを急ぐと、色は浅いまま止まる。待つあいだにだけ、深まっていく色がある。
- NOTE
使い道の分からない物を、ひとつだけ手元に残しておく。答えは、たいてい何年も遅れて届く。
- INSPIRATION
匂いは、写真より正確に昔の日を連れてくる。形のないものほど、記憶の鍵は長持ちする。
- NOTE
使う人の指がどこで迷うかは、作った本人がいちばん見落とす。何度も並べ替えて、ようやく道具は静かになる。
- PROCESS
道具をつくるときは、手が止まる場所を探す。迷わせない一手を置けば、あとは描く人の時間になる。
- PROCESS
写真を差し替えるときは、一度だけ遠くから眺める。近くで直した細部より、離れて見える気配のほうが先に届く。
- INSPIRATION
途中で崩れかけたものには、完成品にない表情がある。仕上げる手を、ほんの少しだけ遅らせてみる。
- PROCESS
壁の色を塗り替えても、窓の位置は動かさない。通い慣れた人が、迷わずに外を見られるように。
- INSPIRATION
古い紙の色褪せは、失われた色ではない。時間が上から一枚、薄い膜を重ねていっただけだ。
- NOTE
何もしなかった日にも、手は何かを覚えている。翌朝、線が一本だけ迷わずに引けることがある。
- PROCESS
縦長と横長を同じ棚に並べるときは、枠のほうを譲る。絵を切らずに済む余白が、いちばん丁寧な額縁になる。
- INSPIRATION
夜の窓に映る自分の部屋は、昼に見るより少し広い。外の暗さが、奥行きを貸してくれる。
- NOTE
一覧の端に、まだ何も置いていない枠をひとつ残しておく。明日のものは、たいていそこにやって来る。
- NOTE
完璧なグリッドシステムは、それを破るためにある。ルールを知らなければ、破ることもできない。
- INSPIRATION
深夜3時に見る東京の高速道路。あの光の川みたいな流れが、今日のプロジェクトの答えになった。
- NOTE
デザインはコミュニケーションだ。見た目ではない。見た目はその結果に過ぎない。
- PROCESS
ラフスケッチは汚くていい。むしろ汚い方がいい。清書への恐れを消してくれるから。
- INSPIRATION
ガラス越しの東京タワー。透けて見えるものの方が、直接見るより美しいことがある。
- NOTE
色を選ぶとき、私はいつも感情から入る。この色は静寂か、緊張か、それとも期待か。